ミールさん(ムサビさん)不審死事件

 97年8月に東京入管第2庁舎でイラン人男性が突然死亡するという事件が発生しました。これについては事件直後に赤羽警察署が捜査し、傷害致死容疑で入管職員8名を送検しましたが、東京地検は不起訴処分にしました。入管側は「深夜居室でライターを使用した件でミールさんを説諭した際、自分で後頭部を床に打ちつけた」と説明しています。その死体の写真が撮られていますが、体には無数の痣や傷跡があり、手足などには縛られた縄や手錠の跡が生々しく残っていて、拷問のすさまじさを物語っています。亡くなったミールさんの遺族によって98年10月、国家賠償を求めて訴訟され、現在係争中です。

 2000年1月25日および3月21日に行なわれた裁判では、現場に居合わせた入管職員への尋問が行なわれました。それらの証言などをもとにざっと整理すると、入管側(職員の証言)が主張する事件の経緯は以下の通り。

「職員らはライターの件を説諭するために、深夜ミールさんを居室から出し、別室に連れて行った。この件に立ち会っていた警備官は5人。別室で金属手錠を後ろ手にかけ、革手錠で固定し、足は捕縄で縛り付けた。足を縛った捕縄を手錠に回し、引き絞って、エビぞりにした。次に毛布でくるみ、その上から縄を掛け簀巻き状態にした。その状態で隔離室に連れて行き、横たえた。隔離室で上半身を起こそうとしたところ、ミールみずからのけぞって頭を打って死亡した。」

 この事件で不可解なのは、せまい隔離室に簀巻きにされたミールさんを囲んで5人の警備官がいたのに、だれひとり彼が頭を打った瞬間を見ていないと主張している点です。

 




入管収容施設問題を考える、アリさんとジェインさんのホームページ

サイトトップへ